狸のコラム
No. | コンテンツ | 日付 |
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第36回 | 上海と東京の物価比較 | 2021/7/11 UP |
第35回 | タブーな贈り物 | 2021/6/6 UP |
第34回 | 上海にガンダムの聖地誕生! | 2021/5/30 UP |
第33回 | 中国の書店ブーム | 2021/5/23 UP |
第32回 | 桜の季節 | 2021/3/14 UP |
第31回 | 上海の新観光名所?上海地下鉄15号線 | 2021/3/7 UP |
第30回 | 2021年版春節の過ごし方 | 2021/2/28 UP |
第29回 | 上海の街から乞食が消えた?! | 2021/1/10 UP |
第28回 | タバコとメンツ | 2021/1/3 UP |
第27回 | 中国シェアサイクル最新事情 | 2020/12/6 UP |
第26回 | パンダビジネス | 2020/11/29 UP |
第25回 | eコマース大手に対する抗議活動 | 2020/11/22 UP |
第24回 | eコマース商戦期—独身の日 | 2020/11/8 UP |
第23回 | 中国の長者番付 | 2020/11/1 UP |
第22回 | 騒音との戦い | 2020/10/18 UP |
第21回 | 「リベンジ的旅行」とNCP対策 | 2020/10/4 UP |
第20回 | お金と品位のバランス | 2020/9/27 UP |
第19回 | 嗅覚の差? | 2020/9/20 UP |
第18回 | 月餅の季節 | 2020/9/13 UP |
第17回 | ご飯は残さず食べましょう! | 2020/9/6 UP |
第16回 | 「恋人の日」に思うこと | 2020/8/30 UP |
第15回 | 愛煙家に朗報??新型肺炎と煙草 | 2020/8/23 UP |
第14回 | 中国のニューファッション?肘マスク | 2020/8/16 UP |
第13回 | なぜ違う?ソーシャルディスタンスの距離。 | 2020/8/9 UP |
第12回 | 最近の日本人駐在員は夜の遊びが下手 | 2020/8/2 UP |
第11回 | 「漢堡王」叩き | 2020/7/26 UP |
第10回 | 中国の旬の果物 | 2020/7/19 UP |
第9回 | 中国の国旗と国歌 | 2020/7/12 UP |
第8回 | 中国の大学受験「高考」事情 | 2020/7/5 UP |
第7回 | 梅雨の中休み? | 2020/6/30 UP |
第6回 | 中国の子供の学校送迎 | 2020/6/28 UP |
第5回 | 進化するちまき | 2020/6/21 UP |
第4回 | 「夜の生活祭り」と「屋台経済」 | 2020/6/14 UP |
第3回 | 「街道」って知ってる? | 2020/6/7 UP |
第2回 | 2020年5月31日 | 2020/5/31 UP |
第1回 | ご挨拶 | 2020/4/29 UP |
上海と東京の物価比較
先日、上海虹橋にあるパン屋でカレーパンを買いました。その値段、18元。
普段あまり気にせずに買っていましたが、1元=16円として考えると、288円。
日本では、ドンクのカレーパンは1個220円(税別)。消費税10%込みでも242円。
わずかな差ではありますが、日本より高いんです。
そう考えると、上海と東京の物価ってどのくらい違うんだろう、というのが気になりました。
そこで、食事、生活に関わる物価指標をいくつか比較してみました。
カテゴリ | 商品 | 価格 | ||||
上海 | 東京 | 価格比 | ||||
(元) | (円) | (円) | (%) | |||
食品 | ビッグマック | 1個 | 23.50 | 376 | 390 | 3.6% |
飲料 | スタバコーヒー | Tall | 22.00 | 352 | 363 | 3.0% |
サントリーウーロン茶 | 500ml | 4.50 | 72 | 140 | 48.6% | |
アサヒスーパードライ | 350ml x 24本 | 139.00 | 2,224 | 4,517 | 50.8% | |
光熱費 | 水道 | 20㎥ | 69.00 | 1,104 | 1,390 | 20.6% |
電気(40A) | 500kWh | 308.50 | 4,936 | 11,080 | 55.5% | |
公共交通機関 | 地下鉄 | 初乗り | 3.00 | 48 | 170 | 71.8% |
タクシー | 初乗り | 14.00 | 224 | 410 | 45.4% | |
衣類 | UNIQLOポロシャツ | 男性用 | 149.00 | 2,384 | 1,990 | -19.8% |
眼鏡 | JINS眼鏡 | 最安価格帯 | 399.00 | 6,384 | 5,500 | -16.1% |
腕時計 | ROLEX EXPLORER2 | 226570 | 66,400.00 | 1,062,400 | 898,700 | -18.2% |
※狸(弟)の調査による。
※上海の円価は、1元=16円として換算。
※アサヒスーパードライは、上海はT-mall、東京はamazonで購入した場合の価格。
また、上海の1本当たりの容量は330ml。
※タクシーは、上海は初乗り3km、東京は初乗り約1km。
食料、飲料はいずれも上海の方が安いです。
また、光熱費、公共交通機関といった生活に直接かかわる費用も上海の方が安いです。
しかし、ビッグマック、スタバといったグローバルな食品、飲料チェーンの商品は、
上海の方が若干安いだけで、大きな差はありませんでした。
逆に、衣類、眼鏡、腕時計は、上海の方が高めでした。
衣類、眼鏡については、ブランドを問わなければ、
上海の方が安価なものを手に入れやすいと思いますが、
同じブランドの同等商品で比較すると、上海の方が高くなります。
ROLEXの腕時計も、東京より上海の方が高いという結果になりました。
一部の商品を比較しただけなので一概には言えませんが、
・生活必需品は、上海の方が東京より安い
・グローバル展開するチェーン店の食品、飲料は、東京とほぼ同等
・買っても買わなくても構わない、生活に直接関わらないぜいたく品は、上海の方が高い
という傾向があるといえるのではないでしょうか。
今後も上海の物価がどう変化していくのか、引き続き注目していきます。 狸(弟)
タブーな贈り物
日本人の友人が中国人の知人が昇格したお祝いに実用的な物をプレゼントしようと考え、
折り畳み「傘」を贈った、という話を聞きました。
その気持ちは素敵なのですが、実は中国で人に「傘」を贈ることはタブーです。
別れを意味する「散」(sàn)と「傘」(sǎn)の音が似ていて、縁起が悪いとされているのです。
こうした中国における贈り物のタブーは結構あります。例えば、以下はNGだそうです。
■置時計
人を見とることを意味する「送终」(sòng zhōng)と、置時計を贈ることを意味する
「送钟」(sòng zhōng)が同じ音で縁起が悪い。
■靴
邪悪なことを意味する「邪(xié)」と、「靴」(xié)が同じ音で縁起が悪い。
■梨
別れを意味する「离」(lí)と「梨」(lí)が同じ音で縁起が悪い。
■帽子
葬式の時、帽子をかぶる習慣があるため、縁起が悪い。
特に「緑の帽子」は妻を寝取られた男(広義で、夫、または妻の不貞)を指すため、厳禁。
普通語の語呂合わせのものが多いので、ここに挙げたものでも、地域によっては
タブーにならなかったり、逆に違うものがタブーであったりすることがあるかもしれません。
贈り物をする際は、中国人の友人知人に確認してみてください。
中国でタブーな贈り物を調べていたら、ふと日本での贈り物のタブーには何があるのかが
気になり、ちょっと調べてみました。
結婚式では割り切れる「偶数」は縁起が悪い、
引っ越し祝いでは火事を連想させる「赤いもの」はダメ、と色々あるのですが、
特に気になったのは、「上司&目上の人への贈り物のタブー」。
以下のようなものはタブーなんだそうです。
■履物・靴下 「踏みつける」意味合いがあるため。
■筆記用具 「これを使って頑張れ」という意味合いがあるため。
■腕時計・鞄 「もっと勤勉に」という意味合いがあるため。
■ベルト 「気を引き締めて」「腹をくくって」という意味があるため。
これを調べていて、青くなりました。
実は、数年前、お世話になった上司に「ベルト」を送ったことがあったんです。
この場を借りて、その方にお詫びしたいと思います。
皆さんも、中国であれ、日本であれ、贈り物のタブーにはご注意ください。 狸(弟)
上海にガンダムの聖地誕生!
4月末、上海の浦東に「ららぽーと上海金橋」ができましたので、私も行ってきました。
目玉は、外に立つ高さ18mの「実物大フリーダムガンダム立像」!
若いカップルがスマホで撮影して、その場でモーメンツにアップしていました。
遠くからでも目立つガンダムは周辺地域のランドマークになりそうです。
この立像以外に、ららぽーと内にはガンプラの販売店が各階に設けられています。
1Fの販売店は入場制限をするほどの長蛇の列ができていました。
また、子供向けにガンプラの作り方体験教室も開催されていました。
ガンダムは中国でも人気があり、ららぽーとはコロナ禍の影響で日本へ行けない
ガンダムファンにとって「聖地」として受け取られているようです。
ららぽーとは日系の商業施設なので、もちろんUNIQLO、JINS、パリ三城、ASICSといった
日系のブランドや、日本料理店も入っているのですが、
ガンダム以外はそれほど盛り上がっていない印象でした。
日本のアニメコンテンツの強さを再認識しました。 狸(弟)
中国の書店ブーム
先日、上海にオープンした蔦屋書店に行ってきました。
日系書店の進出ということで、日本の書籍や雑誌を購入できるのでは!
と期待していたのですが…。残念ながら、置いてあるのはほとんど中国の書籍でした。
日本人の私には「期待外れ」だった蔦屋書店ですが、
中国人にとってはそうでもないようで、オープンからずっと大混雑しています。
前日にWeChatで予約(無料)していないと本屋内に足を踏み入れることさえできません。
ここ数年、蔦屋書店に限らず、中国ではおしゃれな書店が続々とできています。
上海の呉中路のエーゲ海ショッピングモールにある新華書店は、
日本の建築家、安藤忠雄が設計したことで話題となりました。
また、内装や照明にこだわったおしゃれな中国ローカルの書店も続々とオープンしています。
では、なぜ書店ブームが起こっているのでしょうか?
それは、中国政府が展開する「全民閲読活動」を背景とした書店支援が大きいようです。
この活動は、2006年、中国政府が文化レベルの底上げを図るために始めたものですが、
その一環として、書店に対するテナント料補助、税の優遇措置等の政策を実施しているのです。
2020年は、コロナの影響で書店の売上は大きくマイナスとなりましたが、
これに対してもさらなる支援が行われるそうです。
なぜ今ネットではなく、本なのか、それはよくわかりませんが、
中国におけるブームのカギは、やはり政府の支援があるかどうか、という点が大きいようです。
狸(弟)
桜の季節
上海の街中を歩いていると、桜と思しき花を見かけるようになりました。
以前は桜を見かけることはそれほど多くなかったのですが、
最近では上海の桜の名所である顧村公園をはじめ、いろいろなところで桜が植えられています。
顧村公園の桜は、2010年から桜が植樹されるようになり、
今では110種の桜が1.4万本も植えられているということです。
春になると顧村公園では「上海さくら祭」が開催され、多くの人でにぎわいます。
今年は3月12日から4月12日まで開催されます。満開は3月下旬の見込みだそうです。
「さくら祭」といっても、日本のように桜の下に陣取ってどんちゃん騒ぎをする、
というものではなく、桜を見ながら公園の中を散歩する、というだけです。
私も以前行ったことがありますが、桜を見る、というよりは人ごみを見ながら
人ごみに押されて広い公園を歩き回り、へとへとになって帰る、という感じでした。
今年は地下鉄15号線が開通し、コロナ禍の影響で遠出を控える人も多いため、
例年以上の人出が見込まれているようです。
皆さんも、中国の「さくら祭」を体験してみてはいかがでしょうか。 狸(弟)
上海の新観光名所?上海地下鉄15号線
今、私が居住している所からすぐそばを走る地下鉄15号線が開通しました。
北は桜で有名な顧村公園を起点に、上海西駅を通って、古北路沿いに虹橋エリアを縦断。
上海南駅を通って、紫竹ハイテク区というエリアまでを走る、上海を南北に走る路線です。
私も春節の期間中、一度乗ってみました。
実はこの地下鉄15号線、自動運転になっていて、運転手の席は無人になっています。
そのため、最前列車両の一番前に乗ると、運転手になったかのように前を見渡すことが
でき、なかなか爽快です。
そして、もう一つ気づいたのは、親子連れが最前列に集中している、ということ。
彼らは、運転手席に張り付いて、終点の駅まで行くと車両から降り、
今度は最後列(行きの最後列=帰りの最前列)へ向かい、また来た方向へと帰っていきました。
春節の移動制限のため上海から出られず、どこへも遊びに行けない子供のため、
地下鉄の運転手になった気分を子供に味わわせてあげようと、親が連れてきているようです。
中国では、2月以降中国国内発生のコロナ感染者はほとんど発生していませんが、
コロナ禍の影響が続く限り、地下鉄15号線は子供たちを楽しませる新観光名所としての
役割を担い続けるかもしれません。 狸(弟)
2021年版春節の過ごし方
新年快楽!
2021年の春節を迎えました。
NCP拡散防止のため、滞在都市から極力離れないよう政府指示が出されたことで、
多くの人が帰省せず、旅行にも行かずに春節を迎えました。
私も久しぶりに中国で春節を迎えましたが、
上海では2016年1月1日から外環道の内側で爆竹を鳴らすことが禁止されていることもあり、
街の雰囲気は過去と比べると「年味」(春節の雰囲気)に欠けるように感じました。
そんな状況下で、盛り上がりを見せたのが「映画」でした。
日本でも「鬼滅の刃」の映画版が人気を博し、2020年12月28日時点の興行収入が
324億円と過去最高を記録し、なお記録更新中ですが、
中国でも旅行に行けない中、近場で楽しめる娯楽である「映画」に人気が集中したようです。
春節期間(2/10~2/17の7日間)の興行収入は78.25億元(1元=15円換算で約1,174億円)と、
2018年の57.71億元(同約866億円)、2019年の59.03億元(同885億元)を大きく上回る
過去最高の興行収入を上げました。(2020年は、NCPの影響でゼロ。)
また、TikTokでの2021年の「あけおめ」動画の再生数は2月11日までに延べ506億回に上ったということです。
「自粛ムード」ともいえる中で、中国の人々はできる範囲で「年味」を楽しんだようです。
強制的に移動を制限したり隔離したりする方法が決してベストとは思いませんが、
日本の人々も政府も、この中国の危機感の高さは見習った方が良いのでは、と思います。 狸(弟)
上海の街から乞食が消えた?!
以前は上海の街を歩いていると、道端に座り込んだ乞食をよく見かけました。
足がなく、台車の上に横たわっている人。達磨のように手足がない人。
大音量で音楽を流して、煽るようにしている乞食もいました。
上海の中心部、多くの人でにぎわう人民広場の南京西路でもそういう乞食がいました。
しかし、ここ2年ほどは、パタリと見かけなくなりました。
理由はいろいろあると思いますが、ネットなどでの意見をまとめると、
以下の3つの要因に集約することができそうです。
1. 人の哀れみに付け込んでお金を集める乞食ブローカーの存在が報道されたことで、
人々が警戒心を強め、乞食にお金を払わなくなった。
2. 支付宝、Wechatの発達により、小銭を持ち歩かなくなり、乞食にお金を払わなくなった。
3. 経済発展により、自分の生活や仕事が最優先となり、乞食に気を遣う余裕がなくなった。
1について、私もトラックで運ばれてきた乞食が道端で降ろされ、
おもむろにお金を要求するところを見かけた経験が何度もあるため、納得です。
2について、私は乞食にお金をあげたことはありませんが、
数元のお金を恵むために、わざわざ携帯を取り出し、怪しいバーコードを読み込むか…
と言われれば、答えはNo.でしょう。
3についても、今の中国の世相を反映しており、理解できます。
でも本当の理由は何でしょうか?
乞食を取りまとめるブローカーがビジネスとして成立しないと判断したからでしょう。 狸(弟)
タバコとメンツ
私は喫煙者ですが、タバコをたしなむようになったのは、中国へ来てからです。
以前の中国では、友人と食事をしていると、同席の人からタバコをすすめられましたし、
列車の車両と車両の間で外を見ながらたたずんでいると、
見知らぬ人がタバコを差し出してきて、タバコを吸いながら共に語り合う、
といった経験もしました。
そうなると、いつも人からもらってばかりでは悪いな、と思って自分でも買うようになり、
いつの間にかタバコを吸う習慣ができてしまいました。
そして、中国のタバコはコミュニケーションを促進するツールとして利用される
だけではなく、ステータスを示すツールとしても利用されます。
皆さんも、免税店で中国人が赤いパックのタバコを大量に買い込んでいるのを見たことが
あるのではないかと思います。
これは、「中華」という中国で最もメジャーな銘柄のタバコです。
「中華」には、市場にあるものでは1箱40元(約600円、1元=15円で換算)のものから
100元(約1,500円)のものまでいろいろあります。
これは、喫煙用はもちろん、贈答や結婚式で来客をふるまうために用いられます。
免税店で購入すれば偽物をつかまされる確率は低く、
おみやげにすることでステータスを示すことができる、というわけです。
免税店で贈答用に中国のタバコを購入するのは滑稽に見えるかもしれませんが、
その裏には、誰もが知っている「中華」のホンモノを送ることでメンツを保とうという、
中国人の思いが透けて見える、と私は思っています。 狸(弟)
中国シェアサイクル最新事情
中国では大都市を中心にシェアサイクルが大規模展開されています。
2017年に私が上海に来た当初、上海では黄色い自転車の「OFO」(小黄車)と
オレンジの自転車の「Mobike」が2大勢力でしたが、その後、OFOは競合に敗れほぼ撤退。
Mobikeは、eコマースプラットフォーム「美団」と中国版食べログ「大衆点評」を
提供する「美団点評」に買収され、自転車もオレンジのものから
美団点評のイメージカラーである黄色のものに置き換えられています。
また、新たに水色の自転車を提供するアリババ系の「Hello Bike」が台頭しており、
美団とHello Bikeの二社が上海でのシェアの大半を占めています。
勢力図が変わっただけではなく、サービス面での変化も出てきています。
まず価格。2017年当初は、OFOは60分1元、Mobikeは30分1元で、
曜日によって乗り放題!などというサービスもありましたが、
現在、美団、Hello Bikeとも、初乗り1.5元、15分を超えると、以後15分ごとに0.5元。
美団(Mobike)に30分乗った場合で比較すると、2倍になっている、ということになります。
次に利用方法。当初はどこでも乗り降りできましたが、今は駅のそばなどに
「禁停区」(jìn tíng qū:停車禁止エリア)が設けられました。
もしこの禁停区に自転車を停めると、Hello Bikeの場合、数分後に
「さきほど禁停区に車を停めましたよ。罰金として2元を引き落としますよ。
1時間以内に禁停区から移動すれば2元は全額お返ししますよ。」
というショートメッセージが届きます。私もすでに1回罰金を支払っています。
シェアサイクルは、政府主導により、環境にやさしい移動手段を推し進める目的で、
まずは細かいサービスやルールは考えず、中国国内に一気に広がりましたが、
定着した今は、価格やサービス面での調整段階に入ったと言えそうです。
やり方がよいかどうかはともかく、このとにかくやってみる、という行動力とスピード感は、
私も学ぶところが多いな、と思います。 狸(弟)
パンダビジネス
日本ではここ数日、パンダに関するニュースが複数報道されています。
まずは、上野動物園で2017年に生まれたシャンシャンが、
12月末に中国に返還されるニュース。
そして、11月22日、和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールドで、
オスの永明とメスの良浜が同園17頭目となる赤ちゃんを産んだニュース。
以前は、中国政府が外交の重要局面に際して対象国にパンダを「無償贈与」していましたが、
今は繁殖、研究を目的に「貸与」しています。
現在日本には上野に3頭、神戸に1頭、アドベンチャーワールドに7頭、計11頭の
パンダがいますが、これらは中国に対し、
オスメスペアで年間約1億円の保護活動費を支払ってレンタルしています。
(日本で生まれたパンダに対しては、レンタル費用は発生しません。)
こういったパンダビジネスは国外だけを対象にしているわけではなく、
国内向けにも展開されています。
例えば、パンダセンターでは、生まれたパンダを「認知」できる権利を提供しています。
認知する権利を得ると、半年に一回、認知したパンダについての生育状況などについて
飼育員や研究員から話を聞いたり、パンダセンターに名札を付けてもらったりすることが
できます。もちろん、認知をしてもパンダは引き続きパンダセンターで養育されます。
認知方法は主に「年間認知」、「生涯認知」と「命名権付生涯認知」があり、
それぞれ費用は約10万元(1元=15円換算で約150万円)、約50万元(同約750万円)、
約100万元(同約1,500万円)だそうです。
(上記は、2019年に秦岭ジャイアントパンダ繁育研究センターで生まれたパンダに対する
認知費用です。)
火鍋チェーンの大手「海底捞」も2017年に双子のパンダを認知し、
店名にちなんで「海海」「捞捞」という名前を付けています。
個人的には、レンタル料、認知料のいずれも高額に感じますが、
客寄せパンダとしての効果を考えると、妥当な金額なのかもしれません。 狸(弟)
eコマース大手に対する抗議活動
娄山关路にあるオフィスビルに入居しているeコマース大手企業(A社)に対して
抗議活動している人々を、月に1~2回程度見かけます。
同じTシャツを着た集団がビルの下に集結し、ビルに向かって抗議の雄たけびを上げ、
ひとしきり騒ぐと帰っていく、というパターンが多いのですが、
参加者に血気盛んな人物がいると、エントランスへの突入を試み、
ビルの警備員と衝突して、警察沙汰に発展する場合もあります。
また、いかにも田舎から出てきたという様相のお爺さん、お婆さんが
エントランス脇に座り込んで動かない、という様子も何度か見かけました。
抗議活動は、主に以下の2つのパターンに分けられるようです。
1.A社が提供するプラットフォーム上に出店している店舗経営者が、
A社から突然資金を凍結されるなどの不利益を被って抗議するケース。
2.A社が提供するプラットフォーム上で商品を購入した消費者が、
商品に問題があったり、商品が届かなかったりすることに抗議するケース。
ネットで調べてみると、「A社は、eコマース最大手のアリババ、京東に学ぶべき」
というようなコメントも散見されますが、
実は、2011年に、店舗経営者がアリババに対して大規模な抗議活動を行ったことも
あるようで、Eコマース各社にとって、抗議活動は成長の過程において
避けては通れない道であるようです。
今後この抗議活動が終息し、「A社を見習え」と言われる日が来るのか?
引き続き抗議活動の動向に注目していきたいと思います。 狸(弟)
eコマース商戦期—独身の日
11月11日は「独身の日」。1年間で最大のeコマース商戦期です。
中国語のスラングで「独身」は「光棍(guāng gùn)」といいますが、
これを直訳すると「棍棒だけ」という意味になります。
11月11日の「1」を「棍棒」に見立てると、棍棒が4本並んでいるように見えるため、
この日が「棍棒だけしかない日」=「独身の日」として認知されるようになりました。
2009年、中国eコマース最大手のアリババがこの日前後にセールを仕掛け、
それ以降「独身の日」は中国最大のeコマース商戦期へと発展していきました。
※「独身の日」だからといって、独身向けの商品のみを販売しているわけではなく、
すべての商品が特別割引で販売されます。
「独身の日」のセールは、2019年にはアリババだけで2,684億元(1元=15円換算で、
約4兆円)の売上を記録しています。
日本eコマース最大手である楽天の2018年度におけるeコマース流通総額は
3兆4,310億円ですから、「独身の日」セール期間だけで楽天の1年の取扱高を約1.2倍
売り上げたことになります。
では、今年の「独身の日」はどうなるのか?
多くの経済紙やアナリストが2019年を上回る売上を予測しています。
まず、例年のセール期間に加え、11月1日~3日もセール期間とすることで、
コロナ禍により抑制されていた海外向けの消費を、国内消費に向けさせると共に、
物流の分散により消費者の利便性向上を図っています。
また、セール期間の延長は、各ブランドに新商品発表の機会をより多く提供することとなり、出店者側にもメリットがあります。
今年の「独身の日」は、中国経済の回復を世界に見せつけることになりそうです。 狸(弟)
中国の長者番付
先日、2020年の中国長者番付が発表されました。
■2020年中国長者番付
No. | 氏名 | 年齢 | 企業名 | 資産額(億円) |
---|---|---|---|---|
1 | 马云 | 56 | アリババ | 60,000 |
2 | 马化腾 | 49 | テンセント | 58,500 |
3 | 钟睒睒 | 66 | 农夫山泉 | 54,750 |
4 | 王卫 | 50 | 顺丰快递 | 36,000 |
5 | 许家印 | 62 | 恒大集团 | 35,250 |
6 | 何享健 | 78 | 美的集团 | 33,750 |
7 | 杨惠妍 | 39 | 碧桂园 | 33,750 |
8 | 丁磊 | 49 | 网易 | 33,000 |
9 | 黄峥 | 40 | 拼多多 | 33,000 |
10 | 秦英林 | 55 | 牧原股份 | 30,000 |
※資産額(億円)は、人民元の資産額に1人民元=15日本円のレートを適用して算出
日本でも、4月末に2020年の長者番付が公表されています。
■2020年日本長者番付
No. | 氏名 | 年齢 | 企業名 | 資産額(億円) |
---|---|---|---|---|
1 | 柳井正 | 71 | ファーストリテイリング | 23,870 |
2 | 孫正義 | 62 | ソフトバンク | 21,940 |
3 | 滝崎武光 | 74 | キーエンス | 21,190 |
4 | 佐治忠信 | 74 | サントリーホールディングス | 10,060 |
5 | 高原豪久 | 58 | ユニ・チャーム | 6,320 |
6 | 三木谷浩史 | 55 | 楽天 | 5,780 |
7 | 重田康光 | 55 | 光通信 | 5,030 |
8 | 毒島秀行 | 67 | SANKYO | 4,390 |
9 | 似鳥昭雄 | 76 | ニトリ | 4,280 |
10 | 森章 | 83 | 森トラスト | 4,170 |
これを比べると、日本と中国の違いが色々分かります。
まず、年齢。中国の方が若いです。中国では30-40代が4人もいますが、日本はゼロ。
平均年齢でも中国54.4歳、日本67.5歳と、中国の方が13歳以上若いです。
次に、業種。中国ではIT、EC関連が強く、4社(アリババ、テンセント、网易、拼多多)
ランキング入りしていますが、日本はソフトバンク、楽天の2社。
そして、資産額。中国トップ、アリババの马云(ジャック・マー)の試算は実に6兆円。
日本のトップ、柳井正氏の約2.5倍に当たります。
トップ10の総額比較でも、中国約41兆円、日本約11兆円と、約4倍差が開いています。
中国では、若いIT系企業の起業家がビジネスを牽引していることが分かります。
そして、これらの成功者が、中国の若者にアメリカンドリームならぬチャイナドリームを
与えているのだろうと思います。 狸(弟)
騒音との戦い
私の同僚が4月に新しいマンションに引っ越したのですが、
6月ぐらいから、そのマンションから一本道を隔てたところでビル工事が始まりました。
平日は特に影響がないようですが、休日になると朝から晩まで工事の音がうるさいそうで、
毎週月曜日の朝、「うるさくて家では何もできない!」と愚痴をこぼしています。
ちょっと調べてみたのですが、中国にも騒音に関連する法律があり、
夜間(22時~翌6時)の間の工事は原則禁止。
居住エリアでの騒音は、昼間は55dB、夜間は45dBを超えてはならないそうです。
ちなみに、日本では19時~翌7時の間は工事禁止。騒音は85dB以下と定められており、
騒音レベルに関しては、中国の方が厳しい規制を課しています。
同僚いわく、夜間は確かに工事をしていないそうなので、このビルの建設も
法律を遵守しているようです。
ちなみに、この同僚、引っ越す前に道を隔てたところに大きな空き地があることは
もちろん分かっており、事前に不動産屋の営業担当に「ここ、ビル工事始まったりしない
ですよね?」と確認をしたそうです。で、その答えは、「はい!2年間は工事しないです!」
皆さんも、不動産屋の口車に乗せられないよう、くれぐれもご注意ください。 狸(弟)
「リベンジ的旅行」とNCP対策
中国では10月1日から国慶節(中国の建国記念日)、中秋節のため8連休。
ただいま休暇真っただ中です。
中国の大手旅行代理店C-Tripは、今回の大型連休の観光客数は延べ6億人に達すると
予想。メディアは、NCPで抑制されていた旅行意欲の高まりを「リベンジ的旅行」と
名付けて報道しています。
こういうニュースを聞くと、「日本のGo toキャンペーンの時みたいに、長期休暇後に
NCPの第二波が来ちゃうんじゃない?」と思われる方もいるかもしれませんが、
その辺は意外としっかり対応しています。
例えば、多くの観光地で入場チケットの販売数を制限しています。
また、上海市の小中学校では学生が8連休中に上海市を離れることを原則禁止しており、
8連休中、毎日体温報告をすると共に、最終日には移動履歴を提出し、
もし上海市を離れていたら、14日間登校禁止となるそうです。
中国での生活は、いつもどこかで監視されているようで窮屈に思うこともありますが、
今回のNCP対策については、管理がうまく機能しているな、と思います。 狸(弟)
お金と品位のバランス
私の勤務先のオフィスビルに、数年前からとあるIT系企業が入居するようになりました。
最初は気にもしていなかったのですが、どんどんこの企業の社員が増殖し、
今ではオフィスビルの勤務者の3分の2がここの社員で占められています。
ここの社員は大半が20代の若者なのですが、ヨレヨレのTシャツと短パンを着て出勤し、
大声で騒いだりしてお行儀が悪い人が多く、全身タトゥーを入れている人までいるなど、
とにかく他の企業からの評判が悪いのです。
彼らに嫌気がさして、オフィスビルを移転した企業もあるという話も聞きました。
これだけ評判が悪い彼らは、いったいどれだけの安月給で働かされているんだろう…
と思ってこの会社の募集状況を調べてみたところ、
新卒の場合、一番安い募集で20,000元(1元=15円として、約300,000円)、
高いものでは35,000元(約525,000円)、
経験者の中途採用はなんと50,000元(約750,000円)以上のものまで!
上海市の2019年の平均給与は10,662元(約160,000円)ですから、
その高さは際立っています。
この高い給料が身なりや態度に反映され、品位が高まる日は来るのでしょうか…。 狸(弟)
嗅覚の差?
中国で街中を歩いていると、生ゴミのようなニオイが漂ってきて、
思わず「ウッ!」と鼻に手を当てるのに、周りの中国人は何食わぬ顔で通り過ぎてゆく…。
中国でエレベーターに乗ると、近くの男性のTシャツから汗やら生乾きの
相当キツイにおいがしているのに、周りの中国人は気にする素振りさえない…。
そんな経験をされたことはないでしょうか?
私は、日本人はニオイに敏感で、自分の周りで多少でも嫌なニオイがすると不快感を覚えることが多いのに比べ、
中国人はニオイに対して鈍感な人が多いと思っていました。
しかしながら、最近は、中国人がニオイに鈍感なのではなくて、ニオイの感じ方に
違いがあるのではないかと考え始めました。
日本人でも関東と関西で納豆のニオイをおいしいと感じるか、まずいと感じるか、
差があるように、日本人と中国人の間にニオイの感じ方に差があるのは
当然のことなのかもしれません。 皆さんはどうお考えになりますか? 狸(弟)
月餅の季節
旧暦の8月15日(今年は、10月1日)は中秋節。十五夜の月をめでる日です。
中国では、2008年から祝日に加えられました。
中秋節の風習としてもっとも有名なのは、なんといっても「月餅」。
十五夜の丸い月を見立てた厚い円盤状で、伝統的なものは中に小豆餡とアヒルの卵の
黄身を塩漬けしたものが入っています。
満月の下、家族みんなが丸い月餅を食べることで、家族の団らんを願う、
という意味が込められています。
中秋節の1か月前くらいから、月餅の贈答がされます。
以前は、会社から社員に月餅を配っていました。
私の会社でも贈答用の月餅を購入していますが、これは伝統的なものではなく、
洋風のお菓子のように仕立てられていて、餡の甘さと卵のしょっぱさが苦手な
私でもおいしく食べられます。
ハーゲンダッツではアイス月餅なるものを販売しており、
時代と共に月餅も様変わりしてきています。
街で月餅を見かけたら、一つ買い求めてみてはいかがでしょうか? 狸(弟)
ご飯は残さず食べましょう!
8月11日、中国国家主席の習近平氏が「飲食の浪費を抑制し、節約の習慣を育成せよ」
という指示を出しました。
日本では子供の頃から当たり前のように「ご飯は残さず食べましょう!」
と教えられてきますが、中国では、これと真逆。
お客さんをもてなす側は、食べきれないほどの量を注文し、
もてなされる側は、食べ残すことが礼儀で、「おなかいっぱいで満足です」と
いうことをアピールします。
もてなされる側が全て食べてしまうと、「まだ足りないからもっとください」ということを
意味してしまいます。
私も初めて中国の宴席に招かれた時は、卓上に並べられた料理の多さに圧倒されました。
この「食べ残し文化」の背景には、「メンツ」があります。
中国人は何よりも「メンツ」を重んじ、お客様に自分を大きく見せようとします。
そのためには、金銭的に多少無理をしても、量が多すぎて無駄だと思っても、
「メンツ」を重んじてとにかくお客様をもてなすのです。
今回の指示は、この「メンツ」を重んじる文化を変えようとするものです。
さて、本当に中国の文化は変わるのでしょうか? 狸(弟)
「恋人の日」に思うこと
先日、2020年8月25日は、旧暦の7月7日。つまり、「七夕節」でした。
通常「○○節」とつく日は、春節、清明節、端午節、中秋節など、家族が集まって食事をしたりする風習があります。
でも、最近は「○○情人節」(qíng rén jié;恋人の日)と、無理やり「恋人の日」にこじつけられた日が増えています。
私はEコマースによる仕掛けだと思っていますが…。
代表的なものとしては、
2/14 情人節(バレンタイン)
3/14 白色情人節
5/20 520情人節
旧暦7/7 七夕情人節
などがあります。
8月25日には、オフィスの入口で花を手にした配達員をたくさん見かけましたが、
それは、男性から奥さんやガールフレンドへのプレゼントだったわけです。
ポイントは、中国の「恋人の日」はすべて男性から女性に高額なプレゼントを贈るということ。
一般的な女性は花束だけでは当然ながら満足せず、それなりに高額なプレゼントが必要です。
中国人男性は、それを必然と感じているようで、女性のためにせっせと貢ぎます。
また、日本人相手のバー、スナック、クラブも、恋人の日にはいろいろなイベントを仕掛け、
おじさまたちの財布を狙い撃ちします。
中国女性とお付き合いするには、相当な出費を覚悟する必要がありますね。 狸(弟)
愛煙家に朗報??新型肺炎と煙草
WHOが「喫煙者は、新型コロナウイルスへの感染で重症となる可能性が高い」と発表していますが、
最近、世界各国で感染者における喫煙者の割合が一般人口の喫煙率よりも低いという発表が多いんだそうです。
===以下、プレジデントオンライン 飯島 勲氏の記事から抜粋===
例えば、喫煙者率13.8%の米国で感染者7172人を対象に実施された調査では、喫煙者数は96人(1.3%)に留まっている。
明らかに少ない。別の研究チームによる4103人を対象とした調査でも、212人(5.1%)である。こちらも少ない。
パリのピティエ・サルペトリエール病院の調査では、入院患者343人に対して、喫煙者は15人と4.4%だった。
フランス全体の喫煙者率32.9%に対して圧倒的に少なく、研究チームは、この結果は統計的に有意であるとして、
喫煙者は感染から守られると結論づけた。
===ここまで==========================
皆さんどう思いますか??
狸(兄)は、なかなかのヘビースモーカなので、新型肺炎の防御率は最高レベルかもしれません。
毎晩、酒で消毒しつつ煙草でガードする。
ある意味怖いものなしですね。
でも、マナーは自分なりに守っているつもりですよ。
愛煙家の皆さんは、マナーを守って喫煙活動しましょう!! 狸(兄)
中国のニューファッション?肘マスク
上海では、輸入症例以外の新型肺炎発症者が1か月以上ゼロで、
ほとんど日常の生活を取り戻しています。
マスクを着用している人も大分少なくなり、
感覚的には半分程度の人は室外ではマスクをしなくなっています。
逆に、最近よく見かけるようになったのは、肘のあたりにマスクをつけている人。
若い人を中心に、10人に3~4人くらいが「肘マスク」をしています。
私の感覚からすると、今の時期は半袖で、腕に汗をかくし、
口に着用するマスクを肘に着けるのは、ちょっと不衛生な感じがするのですが…。
中国人の同僚になんで「肘マスク」をするのか、聞いてみたところ、
答えはそろって「方便!」(fāng biàn;便利)
真夏にマスクを着けるのは暑いし息苦しくて大変。
なので、室外ではマスクを肘に着けておいて、
オフィスや店舗など、マスク着用が必要な所に来たら、肘から外して着ければ、
苦しくないし、マスクはなくさないし、便利!と言うのです。
本来、マスクは感染を防ぐことを目的に着用するはずですが、
中国では、マスクを着用すること自体が目的になり、
中国人は、その負担をどう軽減するかを考えて行動しているようです。
中国には“上有政策、下有对策”(shàng yǒu zhèng cè 、xià yǒu duì cè;上に政策あれば、下に対策あり)という言葉があります。
この「肘マスク」はまさにこの言葉を体現しており、中国らしさを感じます。 狸(弟)
なぜ違う?ソーシャルディスタンスの距離。
新型肺炎が始まってから、ソーシャルディスタンスという言葉をよく聞きますが、
そもそも、各国によって距離がバラバラなことに気付いてますか?
日本/韓国/スペイン=2.0m、ドイツ=1.5m、中国/イタリア=1.0m、等々。
国によってウイルスの飛沫距離が違うとは考えにくいし、なぜでしょう?
ここからは狸の勝手な憶測ですが、おそらく普段から人と人との物理的距離に関する感覚が
国によって大きく違うからだと考えています。
例えば、二人が向かい合わせで話すとき、日本人であれば1m程度空けているのが普通ですが、
中国人の場合、30cmも空いていないのが普通です。
相手が女性の場合、なんかドキドキしてしまいますが、相手から近づいてくるのでやむなしです。
狸の秘書の場合も、“ちょっとこのPCの画面見て”とお願いすると、おもむろに近づいてきて後ろに
ピッタリ付かれます。その距離10cm・・・・。“あのーーーおっ〇いを背中に感じるんですけど”
ってこともたまにあります。
別に彼女も狸もわざとやっているわけではないですよ。でも日本だったらやばいですよね。
エレベーターや電車も一緒で、さして混んでいないのに後から乗ってきた女性が目の前20cmの距離で友達
と普通におしゃべりを始めます。
女性だったら我慢できますが、男性でも一緒なんですねこれが。
完全に体臭を感じる距離です。(想像したら気持ち悪くなってきた)
肺炎前から、ずーーと思っていましたが、中国は人と人との物理的距離に関する感覚が、日本人とは明らかに
違います。これが各国によって距離がバラバラな理由なんじゃないでしょうか?
じゃあ、イタリアは???会えばハグとキスの国ですからね~。多分中国以上の密なんじゃないかな~。狸(兄)
最近の日本人駐在員は夜の遊びが下手
上海は梅雨が明けて、暑い日が続いています。
通常だと、夏休みのを兼ねた出張で日本にいる時期ですが、今年は肺炎の影響で無理。
ここ数日、南国の海の見えるHotelのプールで、ビールを飲んでゆっくりしたい願望が拡大しています。
上海在住の皆さんは、この夏をどう過ごしますか?
仕事?家でゴロゴロ?国内旅行?彼女とデート?カラオケ三昧?
カラオケといえば、最近日本人相手のバー/スナック/クラブで、プチぼったくりが流行っているようです。
でも、これって本当にプチぼったくりなのか?
私は、お姉さまの成功報酬だと思っているんだけど、皆さんはどう思います?
お客に聞かずに、ボトルやワインを入れるのはどうかと思うが、ほとんどの場合は聞かれているはず。
それと、少なからずお姉さまのバック(指名料や予約料、ドリンクバック等)が含まれているので、それなりの
金額となるのは必然。
数万元を平気で請求する悪質店ならともかく、若い女性におじさまの相手をしてもらうには、こちらもある程度の
出費を見込むのもやむを得ないかと・・・・・(涙)。
単に想像した値段より支払いが多少高額だっただけな気がしますが、どうなんでしょう?
反面、“最近の日本人駐在員は遊び方をよく知らない。非常識な人が多い”という言葉を夜のお友達連合からよく聞くようになりました。
例として、“夕食には誘われるが同伴せずに帰ってしまう。”“お客様のボトルのお酒を飲むと嫌な顔をする”“ボトルが空いても次のボトルを入れずに帰る”
“レディースドリンクを入れてもらえない”“会計時にお姉さま達が飲んだ分は払わないとごねる”“すぐに自宅に誘う”
まあ、どっちもどっちですかね(爆笑)
いずれにせよ、仕事が減って焦っている店/お姉さまが多いのも事実。また、遊びなれていない(夜の仕組みを理解していない)駐在員が多いのも事実。
皆さん、スマートに遊びましょうね!
でも、もし本当にぼったくられたら、迷わずに警察又はしかるべきところに連絡しましょうね。狸(兄)
「漢堡王」叩き
最近中国では、「漢堡王」(バーガーキング)が叩かれています。
7月16日にCCTVが放映した「315晩会」で、
ハンバーガーを作るときに、トマトやチーズを1枚減らしたり、
賞味期限切れのバンズを使ったりしていたことを指摘されたためです。
バーガーキングは、放映当日に謝罪と調査を開始する旨の声明を出していますが、
批判は収まりません。
この「315晩会」というのは、毎年3月15日の「世界消費者権利デー」に合わせ、
CCTVが消費者からの声に基づいて、消費者の権利を侵害した企業を名指しで取り上げる、
という番組です。
今年はNCPの影響で、約4か月遅れで放送されました。
取り上げられるのはほとんどが中国企業ですが、海外企業の事例もいくつか紹介されます。
2017年の「315晩会」では、日本企業が販売する製品が放射能で汚染されている、とされ、
カルビー、イオン、無印良品などが批判の対象になりました。
これも一つのチャイナリスクと言えるかもしれません。 狸(弟)
中国の旬の果物
上海の街を歩いていると、至る所に果物屋があります。
5分歩けば1つは果物屋に当たると言っても過言ではないともいます。
それだけ需要があるのでしょう。
私の会社のスタッフにも、3時のおやつの時間になると果物をほおばる女性がいます。
中国の果物は安くて種類が豊富で、日本ではなかなか見かけない果物もあります。
今の季節であれば、ヤマモモ(杨梅 yáng méi)、ライチ(荔枝 lì zhī )、竜眼(龙眼 lóng yǎn)などがおいしいですね。
みなさんも3時のおやつにいかがですか。 狸(弟)
中国の国旗と国歌
中国に住んでいると、結構頻繁に中国国旗を目にしたり、中国国歌を耳にしたりします。
国慶節になると、1か月ほど前から、町中に国旗が飾られますし、
CCTV(中国中央電視局)のニュースの前には国歌が流れます。
また、学校では毎日国歌に合わせて国旗を掲揚しています。
中国の国旗は、赤地に5つの黄色い星がデザインされたものですが、
赤は革命を、黄色は光明を表しています。
また、大きな星は共産党の指導力を、小さな星は人民を示しています。
中国の国歌は義勇軍の勇ましさを歌っています。
歌詞の内容は、後日「かっこいい中国語」で紹介します。
私の家のそばには学校があるのですが、NCPによる休校が解除され、
国歌に合わせた国旗掲揚も再開されました。
日常が戻ってきたなあ~と感じます。 狸(弟)
中国の大学受験「高考」事情
中国では、毎年6月7日·、8日に大学受験「高考」(gāo kǎo)が実施されます。
この日程は固定されていて、この2日間がたとえ土日であろうと日にちは調整されませんが、
今年(2020年)はNCPの影響により、1か月遅れの7月7日、8日実施となりました。
「高考」は、中国全土の大学受験生が参加します。2019年の受験者数は975万人でした。
2020年1月実施に実施された日本のセンター試験の受験者数は約56万人ですので、その規模の大きさが分かると思います。
試験内容は基本的に全国統一ですが、直轄市や省によって、独自の問題を設定しているところもあります。
北京市もその一つで、北京市の問題は全国統一のテストより簡単だと言われています。
また、多くの大学は、省市別に合格者数の枠を設定しており、基本的に大学が所在する省市の受験生を多く合格させます。
さらに、少数民族の受験者に対して加点が行われる優遇政策も設けられています。
中国では大学別の試験はなく、「高考」一発勝負です。
受験生はこの「高考」の結果(点数)から合格できそうな大学と学部(専攻)を予測して、大学に志望を出します。
この予測を見誤ると、大学に入れないというケースが出てきてしまいます。
そのため、志望大学、学部の選択は非常に重要で、そのアドバイスを行う専門業者もいるほどです。
競争がし烈なだけに、様々な不正も行われます。
今年5月、仝卓(tóng zhuó)という歌手が生放送で「高考」受験時に行った不正について言及した結果、大学から除籍され、
さらに共産党員であった父親も不正に加担していたことが判明し処分されるという大スキャンダルに発展しました。
中国人にとって、「高考」は人生を左右する一大イベントと言えるでしょう。 狸(弟)
梅雨の中休み?
今日は、気持ちよく晴れて、久しぶりにテンションが上がっています。
今年の上海は、異常な雨が続いていますね。晴れていたと思ったら、急に雷を伴う土砂降りの
雨が降ったりと、天気が目まぐるしく変わっています。
長江の上流では、降り続く雨での影響でダムの決壊や洪水が多発しているようです。
私は最近、三峡ダム崩壊の噂が気になって仕方ありませんが、皆さんはいかがですか?。
地盤の緩いところに無理やり作ったとか、コンクリートの質が悪く稼働当初から漏水が多発しているとか、
衛星写真で歪んでいるとか、10年で寿命になるとか・・・・・。まことしやかな噂が次から次へと。
もし、三峡ダムが決壊したらどうなるか?
一説には、武漢や重慶は完全崩壊し、上海も水浸しでインフラ完全停止。更には、日本海の生態系にまで
影響が出るようです。
世界最大のダムであり、中国のアキレス腱でもある三峡ダム。
崩壊が噂で終わることを願っています。狸(兄)
中国の子供の学校送迎
私が朝出勤する時、私のアパートの近辺の道路はいつも大渋滞。
でも渋滞しているのはごく一部のエリアだけで、そのエリアを過ぎると渋滞はあっという間に解消します。
この「ごく一部のエリア」というは、学校です。
中国では、一人っ子政策の影響もあり、子供は大切に大切に育てられています。
「四二一」と言われるように、1人の子供は、2人の親と4人の祖父母から過保護なまでの愛情を受けて育つのです。
その過保護の一つが、子供の送迎。
中学3年生の娘さんをもつ私の同僚は、未だに娘さんを学校に送ってから出勤しています。
交通事故にあったら危ないとか、人身売買者にさらわれるかもしれないとか、そんな理由からだそうです。
人身売買、というのが日本では考えにくいですよね…。
さらに、NCP後は、子供が公共交通機関を利用することを制限する学校もあるようで、
車での送迎に拍車をかけています。 狸(弟)
進化するちまき
中国では、旧暦の5月5日(今年は、6月25日)の端午の節句にちまきを食べます。
これは、楚の時代、政治家かつ詩人の屈原が旧暦5月5日に入水自殺したことを悼んで、
民衆が供物を陳樹の葉にくるんで川に投げ入れたのが起源とされています。
だから、6月になると、街のあちこちでちまきを見かけるようになります。
ちまきと言えば、もち米やうるち米に具を入れて、三角形に握り、
笹などでくるんだものを蒸した料理です。日本にもありますよね。
中国では、小豆のあん、味付けした肉、あひるの卵の黄身の塩漬けなどを具にします。
私は味付け肉が好きですが、狸(兄)はクセのあるあひるの卵の塩漬けが大好物です。
そして、ここ数年で定番になっているのは、スターバックスのちまきです。
求肥のような皮の中に様々な味のあんが入っています。
大きさはゴルフボールぐらいで、一つ一つ笹の葉でくるまれています。
今年は、チーズ味、ライムティー味、コーヒー味、ピーチ味、クランベリーヨーグルト味の
5つの味があり、新しいスイーツ感覚で楽しめます。
中西折衷の新しい風物詩になりつつあります。 狸(弟)
「夜の生活祭り」と「屋台経済」
上海では、6月6日から“夜生活节”「夜の生活祭り」という企画が開催されています。
日本人にとってはちょっと誤解を招くような文言ですが、
これは、NCPにより冷え切った経済活動を喚起するための政策です。
南京路、淮海路、徐家汇といった上海の繁華街では店舗や書店の営業時間が延長され、
美術館、博物館の夜間開放、バーでのパーティなど、
夜の生活を豊かにするイベントが行われています。
また、“地摊经济”(屋台経済、露店経済)という言葉を最近よく聞きます。
これは、禁止されていた屋台や露店を復活させて、雇用と経済活性化を図る試みです。
李克強首相は、「成都市で3.6万の屋台を設置したところ、一晩のうちに10万人の雇用が生まれた」としています。
数年前までは、中国の繁華街では、夜になると屋台や露店が所狭しと出ていました。
遊び疲れて腹をすかせたオヤジや小姐たちは、その香りにつられ、夜食を買い求めたものです。
ここ数年、都市整備や衛生上の問題から屋台はほぼ絶滅していましたが、
これらの政策で屋台の文化が復活し、夜の街がにぎやかさを取り戻すのであれば、
こんなに嬉しいことはありません。 狸(弟)
「街道」って知ってる?
NCPの影響で、上海ではオフィスビルや“小区”(居住区エリア。日本の団地みたいなもの)の単位で徹底した出入り管理がされました。
その中で、よく耳や目にしたのが「街道」。
日本では「街と街とをつなぐ道」という意味ですが、中国では、「区」の配下に置かれる行政区分の一つです。
「街道」で働く人は大部分が公務員で、学校、病院など行政が担当する社会保障サービスをはじめ、
区より小さいエリア単位での監督をしています。
日本の町内会とは根本的に異なります。
今回のNCP拡散防止に当たり、この「街道」が機能を発揮し、オフィスビルや“小区”を指導して、
街道内で感染者が出たり、拡散したりすることがないように徹底的に管理したんです。
例えば、ビルなどに入場する時の体温検査実施、健康バーコードの確認、入場者情報の記帳。
もし体温検査で37.3℃を超える人がいれば、隔離エリアに連れて行き、即病院送り。
その管理は日本では考えられないレベルで、徹底を通り越してある種の恐怖も感じました。
「街道」の管理、おそるべし! 狸(弟)
2020年5月31日
上海のNCP発生は落ち着いており、マスク以外はすっかり元通りの感じです。
でも、居酒屋さんにはまだ日本人の戻りが悪いのが現状です。
昨日、おいしい肉料理(このお店の紹介は後日)をいただいたのですが、客層がすっかり変わってしまったと(ぼぼ中国人)
のこと。いいお店なので、早く常識のある日本人のお客様に戻って来てほしいものです。
実は、狸(兄)は日式スナックの経営にも少しだけ携わっています。
今は、スナックやクラブも日本人が激減して閑古鳥が鳴いているのが現状だと思います(自分の店だけだと思いたくない!)。
たまに日本人のお客様が来ても知り合いばかりで売り上げが上がりません。
固定費(家賃+基本給与)は毎月発生するので、2月から大赤字が続いて、お財布は空っぽです。6月はやばいかも。
でも不思議なことに、土日はカラオケ小姐とデートしている日本人をよく見かけるんですよ。
おそらく、多くのお客様が“二人の世界で楽しまれるスタイル”に変わってしまった感じがします。
いつになったら、元通りになるのか?はたまた、巷で言われるアフターコロナの世界になるのか?
気が気でなりません。狸(兄)
ご挨拶
R&LのHPへようこそ!
この度、上海に住み着いた、二匹の狸がHPを始めました。
当HPも肺炎の影響を受けて、オープンが大幅に遅れてしまいましたが、これから気合を
入れてアップデートしていきます。
上海のグルメや中国語、有益な情報からどうでもいい話まで、いろいろと発信していきますので
よろしくお願いいたします。 狸(兄)